専門看護師か認定看護師の資格を狙おう

看護師のスキルアップのひとつとして注目されているのが、「専門看護師」と「認定看護師」の資格です。この2つの資格はよく比較されますが専門分野や担う仕事には違いがあるため、「自分は何を目指したいのか」をきちんと明確にしてから取得することをおすすめします。

専門看護師か認定看護師の資格を狙おう

専門看護師と認定看護師

看護ケアの広がりと看護の質の向上を目的として新しく設置されたのが「専門看護師」と「認定看護師」です。看護現場で経験を積む中で看護ケアの必要性を感じた人が、専門性を高めてキャリアアップのひとつとしてとらえられている資格です。まずは専門看護師と認定看護師の違いから見ていきましょう。
「看護ケアのスペシャリストである専門看護師」は患者だけでなくその周辺の人たちの看護ケアや人間関係のケアを行います。「臨床現場におけるエキスパートである認定看護師」は専門分野が細かく分かれており、臨床現場で水準の高い看護技術を実践します。

求められているものが違う

専門看護師も特定看護師も特定の分野を極めるという点では共通していますが、仕事内容をはじめ求められる能力や知識、技術やポジションに違いがあります。
まず看護分野ですが、専門看護師は「がん看護」や「精神看護」をはじめ、「地域看護」や「小児看護」、「家族支援」「在宅看護」などの11分野ですが、認定看護師はより焦点を細かく絞って「救急看護」や「集中ケア」をはじめ「がん化学療法看護」や「訪問看護、「感染管理」「手術看護」「小児救急看護」などの21分野、と扱っている数が大きく違います。
そのため、産婦人科に分野を絞って見てみると、専門看護師は女性と母子に対する専門看護を行う「母性看護」だけですが、認定看護師は生殖医療を受けるカップルへ必要な情報を提供し、自己決定の支援を行う「不妊症看護」やハイリスク新生児の病態変化を予測し重篤化を予防したり、生理学的安定や発育促進のためのケアを行う「新生児ケア」など細かく分野がわかれており、より臨床に近くなっていることが分かります。

どちらを目指した方がいいのか

専門看護師と認定看護師、どちらの資格が自分に合っているのか選ぶために、まずは適性があるかどうかを考えていきましょう。
専門看護師は高い専門性を身につけなければならないため、それなりに費用と時間がかかります。そのため、高い志を持ち、ナースの育成や研修、臨床研究をしたい人や専門的な知識と技術で患者さんやそのご家族に対して支援を行いたい人が向いています。また、専門看護師は患者さんやご家族に対して看護ケアを行うだけでなく、患者さんのケアにかかわっている人に対してコンサルタントも行います。そのため、医療チームが円滑に機能するための関係調整ができる人も向いているといえるでしょう。
一方、認定看護師は特定の分野に特化したナースであるため、専門的な技術と経験を活かしてより質の高い看護ケアを行いたい人や、実際に臨床の現場で患者さんの不安や苦痛に直面して今の自分にできることは何かと悩んでいる人が向いています。