不妊の悩みを支援する不妊症看護認定看護師
ここ数年、ニーズの高まりに伴い不妊症治療は大きく躍進していますが、同時にこれは、不妊症に悩むカップルが増加していることも示しています。不妊症治療は妊娠や出産と同様、もしくはそれ以上にデリケートな問題です。そのため、不妊症看護認定看護師には適切な看護やケアができることが求められています。
不妊症看護認定看護師とは
不妊症看護認定看護師は不妊症に悩む男女の理解者となり、治療方法の説明や相談、カウンセリングを行います。不妊症はとてもデリケートな問題のため、患者さんに対する声がけや態度には十分に配慮しなければなりません。また、不妊治療を受けたからといって必ずしも妊娠や出産につながるわけではありませんし、不妊治療がきっかけで家族関係が悪化してしまうこともあります。そのため、正しい技術や知識だけでなく、患者さんに対するメンタルケアも大事な仕事です。
不妊症看護認定看護師の仕事は不妊治療の説明やカウンセリング、治療を受ける男女のメンタルケアが主な仕事ですが、不妊治療の方法はいくつもあり人それぞれ違うため治療方法を選択するための情報提供を行ったり相談を受けたりすることもあります。
不妊症看護認定看護師になるためには
まずは看護師免許を取得していることが大前提です。そのうえで、看護系大学院修士課程を修了、日本看護協会が認定している、6ヶ月15時間以上の認定看護師教育課程を修了、実務経験が5年以上でうち3年間は認定看護分野で実務経験を積んでいること、などの条件を満たして、はじめて認定審査資格が与えられます。
不妊症看護認定看護師として活躍できる職場は
不妊治療を専門に扱っているクリニックや一般の病院が主な職場ですが、不妊症看護認定看護師が持っている専門知識はカウンセリングに活かすこともできるため、思っているよりも活躍できるところは多いです。しかし、不妊症治療のニーズが高まる一方で不妊症看護認定看護師の数はそれほど多くなく、2016年時点ではわずか145名しか存在していません。全体的に数が少ない不妊症認定看護師ですが、特に男性は少なく、資格を保有しているのはわずか2名と非常に少ない状態です。
不妊症治療は男女のカップルで受けるのが一般的ですが、女性は気軽に相談することができても男性は相談相手が少ないためなかなか気軽に相談できないのが現状です。実際に、メンタルケアも治療となる不妊治療の現場において男性の不妊症看護専門看護師を希望する声は多くあります。そのため、看護師としてスキルアップを考えているのであれば、不妊症看護認定看護師はニーズが高いのにもかかわらず資格を取得しているためねらい目の資格、といえるでしょう。