女性の支えになる母性看護専門看護師

妊娠や出産に対して専門的なケアを行う母性看護専門看護師は、看護ケアで患者を支えるというよりは予防の意味が強く、精神的支えになることを目的に作られた資格です。女性の平均出産回数は1.8回といわれています。そのため、一人の女性が一生のうちに出産する回数は1回ないしは2回です。その少ない回数を経験する女性に寄り添いながら不安や心の動きを察知して理解し、支えることが母性看護専門看護師の大きな役割です。

女性の支えになる母性看護専門看護師

母性看護専門看護師の資格を取得するためには

まずは日本の看護師免許を取得している必要がありますが、実務経験が5年以上、うち認定分野で3年以上の経験があることが前提です。もしくは看護系大学院修士課程修了者で専門看護師の教育課程基準の所定単位(総計26単位または36単位)を取得している必要があります。そこから、書類審査や筆記試験などの認定審査を受け、専門看護師の認定証交付や登録を経て、母性看護専門看護師として活動することができます。

母性看護専門看護師に求められる看護スキル

母性看護師は女性の妊娠や出産を専門に扱う仕事ですが、とてもデリケートでプライベートな分野なため、慎重に対応しなければならず神経を使う仕事でもあります。母性看護専門看護師は医療関係者の中で妊婦さんの一番近くにいる存在でもあるため、どんなささいなことでも相談できるような人柄であることが求められています。そのため、不安を抱くような言動は避け、妊婦さんに安心感を与えられるようにふるまうことを心がけなければなりません。
最近は高齢出産も増えてきており、高齢になればなるほど出産に対するリスクも上がるため妊婦さんの不安も増しています。そのため、母性看護専門看護師には高まるリスクや不安にも上手に対応できるような能力はもちろん、不妊や婦人病についての知識なども幅広く求められています。

活躍できる職場は

母性看護認定看護師は妊娠や出産において身体的、精神的に不安を抱えている妊婦さんに対して専門的な知識で対応しケアをする仕事です。そのため、総合病院の産婦人科はもちろん、不妊症の治療外来を行っているクリニックや病院など幅広く活動することができます。また、母性看護専門看護師は出産時だけでなく、子育てをスタートさせたお母さんに対するケアも行います。出産後の女性は通常時に比べて体調を崩しやすく、子育てという身体的にも精神的にも負担が大きい仕事に大きなプレッシャーも感じているため精神的に落ち込んでしまう人も少なくありません。そのため、病院の相談窓口だけでなく、市町村などが設定している子育て支援窓口なども母性看護専門看護師の職場のひとつです。